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「撃つなら撃て」
正義という言葉を突きつけられて
死にたくないのです
とは
もう僕は言えなくなった
おまえに正義はあるのか
と問われ
しかたなく答案用紙に書いたのは
間違ってさえもいない
正しさだった
正しさの温度は冷たく
ナイフのように光っていて
使いかたを間違えた人たちは
きっとまた
平和を間違える
死にたくないことに勝る正義が
もしもこの世にあるのなら
僕はもう正しくなくったっていい
だから
撃つなら撃て
降りしきる雨の中
正しくない僕は
うす汚れたフリルの君と
いのちの限りにタンゴを踊る
愛しています
愛しています
どんな正しさよりも僕は君を
愛しています
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